トラウマとさようなら
- セル ハナ
- 2021年11月26日
- 読了時間: 5分
更新日:2022年2月9日
少し昔の話。
私が懸命に広報部の期待に応えようとPR活動に力をそそいでいたころ
私の頑張りをかってくれて、とある会社の担当者Kさんが私へ仕事を流してくださるようになった。
私はその頃、個人携帯と、会社から支給された携帯の2台を所持しており、19時頃に会社支給の携帯が鳴り、表示はKさんからの着信だった。
このKさんは酒癖が悪い方のようで
酔っぱらって電話をかけてくるような人でした。
それも意味わからない話だけではなく、理不尽ながら私の仕事っぷりを怒鳴って怒ったり、わめきちらされることも多かった。
毎回、相手の機嫌を悪くしないよう多少の話は聞きつつも、きっぱり電話を切るという姿勢をとってはいましたが、着信の頻度はどんどん多くなり、しまいには卑猥な言葉まで言われるようになりました。
私は当時、あれこれと仕事のことや3人の子育てなどでめいいっぱいに忙しく、時間にも心にも余裕はありませんでした。
そんな中、こんな面倒な人にからまれたことが正直うっとうしいなと思ったり、女として完全に馬鹿にされてると思って、相手に対し嫌悪感でしかなかった。
まだ未熟だった私は、大した人材ではなかったはずなのに、契約をどんどんとれる自分に、「仕事ができる」と思い上がってしまって、変にプライドもとても高く自分自身を過信しすぎていたのです。
自分の馬鹿さ加減にうんざりする大失敗ですが、このことを会社の上司に報告や相談をするべきだったのに
私はKさんの会社の、Kさんの上司に、私はこのことを話したのでした。
勝手な動き方をした自分に、後先とても痛い仕打ちがくるとも想像すらできなかった。
私は間違っていない、正しいことをしたと、どこかで自信があったのでしょう。
相手の会社のKさんの上司は、私の話を親身になって聞いてくれた。だから、この人はいい人に違いないと勝手に私は思い込んでしまった。
その後、その会社はKさんを守りに入り、どんでん返しにあいました。
やっとこ実を結んだ仕事は打ち切られ、
たくさんの協力や支援をいただいた方々との接触をできないようにされ、努力して得たすべてを失うことになりました。
後に、上司に報告するときには、もう手遅れ状態で、上司も懸命に戦ってはくださいましたが、行動すればするほど、すべてが裏目にでてしまうのです。
悪い方に悪い方にと結局なっていき、その時点で自分の馬鹿さ加減に気づくのでした。
けれど、まだその頃は、卑猥な言葉をかけられたり、私のプライベートの時間を邪魔された上、こんな裏切りは人として絶対におかしい!と、憎しみしかなかったのです。
その後、あるイベントでKさんと偶然にお会いしたのですが、私は体中が震え、怖くなって控室へ逃げました。
そっとしといてくださればいいものを、逃げる私を追うように私のところへきて「元気か~?まぁ、がんばりやぁ~。」とニヤニヤ笑って言ってきたあの顔が脳裏からずっとずっと離れず悔しくて、悲しくて、湖できるんじゃないかってぐらい来る日も来る日も涙をたくさん流しました。
昔から負けず嫌いで、つらいときこそ笑うんだと、そう生きてきた私。同じ部署の人たちに心配されないよう
あっけらかんと笑って見せるのですが、どこか周りは伝わっていたのでしょう。「大丈夫ですか?」と言われることも増えていました。
日に日に時が過ぎていくにつれ
私にとって大きな大失敗はトラウマとなり、
その後の人生で人間不信という形になってずっと苦しみ続けることとなりました。
仕事に自信が持てず、
人と接触しなくてすむ清掃会社に転職し、清掃の仕事を1年間しました。
時々、エントランスのガラス拭きをしているとき、涙がでるんです。
自分が自分にに対しての哀れみと、
なにくそという態勢に切り替えれない私らしくなさと、毎日が絶望的でした。
今となっては、そこから学んだことは決して無駄ではなかったと痛感しています。
恨めば恨むだけ、泥沼の中にいるのと同じです。私自身がそこから抜け出せず、ずっと苦しいばかりだったことも今ならわかります。
時はかかりましたが、
つらさも苦しみも恨んでいる自分も、
自分の愚かさや、考えが浅はかだったことも、まず容認することの大事さ。そして、この大失敗からきちんと学ぶことが大事なことではないかと、気づきました。
失敗から学ばせていただいたと
すべての出来事を真摯に受け止め
私は人として1つ成長ができたという喜びへと変えたのです。
どうか、今、過去のトラウマだったり、人生の失敗に苦しんでいる方にお伝えしたいです。
時間がかかるかもしれないけど、
時が解決してくれますよ。
そんなKさんと数年ぶりに
昨日、自宅付近のスーパーで偶然にも出会ったのです。
相手は私に気づいて、私の目の前まで来ました。
なぜか無言で睨まれました。
私は精一杯の笑顔で、
「ご無沙汰しております。お元気そうで何よりです。」と言いました。
私の言葉は無視されてしまい、
陳列棚の通路は人が通れる余裕があるのに、「邪魔だからどいてくれる?」と言われてしまいました。
けれど、私は嫌な顔1つせず、「失礼しました」といって、その場を去りました。
会計を済ませて、いそいそとそのスーパーを出たのでした。
何か悪いことがおこる前兆ではないのか?と一瞬だけ怖い気持ちになったのですが、
その瞬間、ふわっとゆるやかな強い風が吹いたのです。
大丈夫。もう怖くないよ。
よかったね。
風がそうささやいたように不思議と思えました。

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このコラムを書いたカウンセラー
オンラインカウンセリング「HaNASERu🍀」の№111の小嶋咲です。
お悩み事・人生相談・愚痴・などなど、あなた様の心の声にそっと寄り添います。
それだけじゃなく、もうたくさん苦しんだから笑いたいって方も、お気軽にご利用ください。
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